◆リン酸処理(パーカライジング) とは

建築金物・製作金物の柘進工業

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リン酸塩皮膜処理とは、化成処理の代表的な方法で、金属の表面に化学的に薄い皮膜を生成させることができる化成処理のことです。本日ご紹介するものは「りん酸、りん酸処理、りん酸亜鉛処理」と呼ばれるもの。正しくはリン酸塩皮膜処理こちらは淡いグレーから濃いグレーまで色味があり重厚感、自然石のような風合いが非常に美しく、手摺やパネル、庇、ルーバーなど様々な部位に塗装ではない仕上げ材として重宝されている、大人気の処理になります。

リン酸塩皮膜処理

リン酸亜鉛処理

さて、製作金物屋の業界で高級感、重厚感、渋さが爆あがる大人気の仕上げがあるのをご存じでしょうか。めっきと言えばキラキラ、ピカピカしていて、以前紹介した溶融亜鉛めっき等はなじむというよりも、いかにも工業的で目立つものが多いのですが、リン酸は渋めな印象、落ち着いた風合いが特徴のとても重宝されている加工処理です。いうなれば金物のトレンドなんです。サッシの業界でもリン酸処理のカラーが出始めましたね。LIXILさんでいうと「ダスクグレー」がそれに当たると思います

コチラは弊社が製作したリン酸処理の施工例です。

  1. 施工例 庇
  2. 施工例 手すり
  3. 施工例 扉

歴史は古く、古代エジプトではすでに行われていて、19世紀のピラミッド発掘の際にりん酸処理された鉄片が出土している。これをもとにイギリスのパーカー兄弟によって製品化され工業製作が可能になったそう。その技術を利用し、元々は自動車の車体下地に使われ、錆止め効果として長く使われていた方法でしたが、見た目に高級感があり美しいとのことで見直され現在に至っています。下地には黒革鉄、その上にリン酸処理(パーカライジング)の処理液に漬け込みを行うと、うっすら表面の奥にスパングルが浮き出て、自然で落ち着いた独特の色合いが現われる。この他にも溶融亜鉛めっきの上にかけたり、ステンレスにかけたりと汎用性が高い処理です。

処理の工程は

①脱脂洗浄

②すすぎ洗い

③りん酸塩処理漕に漬ける

④2回目すすぎ洗い

⑤乾燥

上記のような工程を経て、新品であるのにエイジング処理されているように見えることで、ムラ感、色味ともに非常に重宝されるものとなったのもわかります。自然石や木材、「わびさび」や「いぶし銀」のような仕上げに非常に相性が良いので「和の雰囲気」にも合うんでしょうね。

今日はリン酸塩処理についてでした。

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