建築金物・制作金物の柘進工業
こんにちは、今回は電蝕(でんしょく)についてです。電蝕(電食と書かれているものは、正式にはこのこととは違う現象です)とは電気化学的腐蝕の略、異なる種類の金属が触れ合い、その間に電気が通る水(雨水とか海水とか)が入りこむ、浸水するなどの状況になると、イオン化傾向が強い金属からそうでない金属の方へ電子が移動し、金属原子が間にある液体に溶け出し金属が腐蝕するという現象なんです。この現象は強弱はありますが必ず起こる現象なんです。
弊社柘進工業はあらゆる金属を取り扱います。その中でもスチール、アルミ、ステンレス、亜鉛メッキなどはレギュラー中のレギュラー、完全にスタメンです。その金属同士をつなぐものとしてボルト、ナット、ワッシャーなどは必要不可欠。だからこそ当たり前のように気を付けられていることがあります。とても簡単なことではあるのですが、
それらは同じ材料(金属)でそろえるという事。
見た目をそろえる事で仕上がきれいになる、くらいにしか思っていなかったのですが、実は裏にはとんでもない恐ろしい事実がありました。それが電蝕作用です。簡単に言うと”異質の金属同士が湿ったところで触れあってるとサビる”と言う事です。この腐蝕は意外とえげつなく、数年放っておくと穴が開いていたりするレベルです。構造や屋根、設備廻り、バックヤード、ぱっと見で見えない場所だと建築の場合平気で数年見ないことはざらです(その分しっかり施工するのが当たり前なのですが。。。)。そういう見えない部分に気を使わないと気づいたら大変なことに。。。なんてことにもなりかねません。
とはいえ異質の金属を合わせて使ってはいけないのか、というとそうではありません。濡れる可能性のある場所は避けたいですが、相性の良い悪いがあります。全てはイオン化傾向なのですが、その傾向が近いものを選ぶことで被害を最小に抑えられます。逆にイオン化傾向の差異が大きければ大きいほど電蝕は顕著にでます。なので下の図でいうとオーステナイトステンレスと亜鉛めっきの相性は最悪です。なので主成分が亜鉛・アルミ・マグネシウムであるZAMとステンレスも外部や水を使う箇所での使用、組合せは✖です。専用のものを使いましょう。上下隣同士にあるものは比較的差異が少ないものなので金属同士がさわっていても比較的サビにくいとはいえるが、サビないわけではないので慎重に選ぶことが必要です。
【電蝕 組合せ表】(上下で離れるほど作用が大きい)
イオン化傾向小(電蝕でサビにくい金属)
イオン化傾向大(電蝕でサビやすい金属)
今回は気を付けないと大変なことになりかねない電蝕作用についてでした。
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