今日は一段と厳しい寒さですね!これを抜けたら少しは春らしくなるのかな?さて、更新が滞っておりましたが、本日のお題は玉掛け。実はこの言葉、グリーンファイル等を扱っていると、頻繁に出てくるのです。先月のアーク溶接と同じ。職人さんたちの資格のところに頻出するのです。80%くらいの職人さんは持っているような気がします。なぜでしょう、それは現場の「安全」に関わることだからです。
不思議なのはその名前、聞いただけではどんな資格なのかピンときません。「掛け」っていうくらいだから、何かを引っ掛けて運ぶこと、「玉」っていうのは玉結びの玉なのかなあとか想像していました。「玉掛け」を調べてみたところ、この予想は前半は△、後半は×でした!玉掛けというのは、クレーンなどを使う場合に、物を掛けるための器具の準備、掛け、移動、外す、そして設置する作業のことです。荷物の重さにかかわらず、クレーン等の能力が1トン以上の場合に、ワイヤーをシャックルに掛け、荷物を吊り上げたりさせる場合は、玉掛け技能講習の修了者であることが必要です。1トン未満の場合には、特別教育でよいようです。
しかし「玉掛け」なぜそのような名前になったかというと諸説がありすぎて絞り切れないのですが、大事なもの、持ちにくいもの、宝物などを指す言葉が「玉」なので、そのくらい丁寧に扱わなければいけないものという事がわかります。作業自体を見てみるとそんなに複雑な技能ではない・・・ように見えましたが、玉掛けと一口で言っても掛け方は用途により様々な方法があります。それゆえ選択を間違えての作業中の事故は非常に多いそうです。残念ながら現場事故のワーストワンが資材落下の事故です。なので正確な知識と、的確な判断が要求されるとても重要な作業なのですね。
直接建築金物には関連しないようですが、重い金属資材を扱うとき、安全に必要なものを確実に設置するためには必ず必要となる資格。なので、この資格を持っている職人さんも多いのです!
ちなみに掛け声について
オペレーターと合図者とのやり取りで使われている独特の用語が存在します。
ゴーヘイ:フックを巻き上げる 【go ahead:進め、前進の意】
スラー:フックを巻き下げる 【slack away:たるむの意】
チョイチョイ:フックを少し移動 【これはちょっとの意】
オヤゴーヘイ:ブームを起こす 【親を足すことでブームへの指示に代わる】
オヤスラ―:ブームを倒す 【親を足すことでブームへの指示に代わる】
会社、職種により少しずつ変わっているのですが基本的にはこのような合図が出されています。
今回は、資格は取りやすいが、奥がかな-ーり深い「玉掛け」についてでした。
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